2017年6月24日土曜日

我らが名店Tio Chico

フランシスコとお別れをした。

名店Tio Chicoのオーナーである。
この店、置いてあるメニュー自体と質素な店舗は他のランショネッチとまるで変わらないのだが、料理の質が、まるで高級店のそれなのだ。
だから足しげく通った。
今日がサンパウロ最後のTio Chicoランチだ。
アツく握手を交わし、メールアドレスを交換。
お互いの前途をたたえ合った。

もういちど、この店のお料理の数々を振り返ってみよう。
フェイジョアーダ・メイン皿 水曜日
フェイジョアーダ・副菜 水曜日

ハバーダ・近 火曜日

ハバーダ・遠 火曜日

バカリャウ 金曜日

バカリャウ 金曜日
フランシスコとTio Chicoが地域に永く愛されることを祈りつつ。

Tio Cico
Alameda Santos 1478, Jd. Paulista, SP
TEL 11-3284-7257


2017年6月19日月曜日

ブラジルでサイフをなくしたら???



一昨日GOL航空という国内線で移動していたときのこと。

国内線専用のコンゴーニャス空港は、世界的にも滑走路が短いことで有名らしく、着陸した直後のブレーキの衝撃がとても強い。

で、その便が着陸した瞬間、私は読んでいた小説と小さなカバンを隣の空いた席に置いてまどろんでいた。逆噴射で制動がかかり、文庫本とファスナーの空いた状態のカバンが落下した。文庫が逆さになり、しおりが放り出てしまったので、慌てて読んでいた場所を探して元に戻した。カバンはファスナーが空いていたことにその時気付き、その場に落ちているものがない事を確認して降機した。このとき、カバンより文庫に気を取られていたのは確かだ。

タクシーで自宅についてはたとサイフが無くなっていることに気が付いた。タクシー代は偶然ポケットに入っていた小銭で決済出来たものの、はて財布はどこへ行ったかと思いを巡らせば例のあの瞬間しかないことに気が付いた。

中身は、現金こそ1万円弱と少額であったが、ブラジルの運転免許証、会社クレジットカード、個人クレジットカード、銀行キャッシュ&デビットカード、行きの飛行機でe-mail交換を固く約束した日本通のブラジル人男性の名刺、などなどゴッソリだ。あと2週間のブラジル生活を、利用停止、再発行、役所、交通警察などに費やすのかと思うと絶望的な気持ちになった。だいいち、これから予定されている引継ぎ出張に支障をきたす。

すでに夜22:15であったが、慌ててマイカーに乗り、自宅から空港に取って返した。Lost & FoundAchadas e Perdidas)に行けば、その件はLost BagguegeBagagem Extraviada)のカウンターへ行けと。ナルホド確かにそうだなとGOL航空のそこへ向かう。

そのカウンターにはお姉さんが二人居て、後にお名前がわかるのだがサブリナとジャネッチさんといった。用件を伝えると、まずは機体がどこにあるのか、現場に確認入れますねということでトランシーバーの向こうとやりとりしだした。待つこと10分ほどだろうか、トランシーバー氏は無情にも『すでにメンテナンスの場所に入っているから、今日は機体へのアクセスは無理だ』との回答を寄越した。

・・・想像はしていたが、絶望が襲う。サブリナさんが明日朝5時から空いているから、またこの場に来てくれたら進捗確認できるわと、電話番号と機体番号を教えてくれる。あなたの名前は?と聞いてサブリナとカタカナでメモしていると、『わ、それ私の名前を日本語で書いてるの?カワイイ』と喜んでいたので、漢字でも書いて差し上げた。となりのジャネッチさんにも同様に。諦めが悪いけどなんだかすぐにはその場を離れたくなくて、そんな時間つぶしみたいなことをしていた。

すると先ほどのトランシーバー氏から連絡が入り、『・・・さっきの財布だけどさ、やっぱちょっとオレ自分で見に行ってくるよ、お客さん待てるんかな?』という声が聞こえる。ジャネッチさんも答えて、『お客さん待てるっていうから、それじゃ行って来て。席番は26Fよ』とのことで、一縷の望みがつながったではないか。聞けば、そのトランシーバー氏といる場所から格納庫までは、歩くにはだいぶ距離があるのだという。そんな面倒くさいことを、親身になって対応してくれると言うのか!!!なんて素晴らしい人達なんだ。

待つこと20分ほどしただろうか、『タラーン、お探しのものはこれですか?』と細身の男性が現れ、その手にはなくしたサイフが!!!ビンゴー!!!!!!!!!!それですそれです!!!!涙涙、感涙そして涙。。。

お礼を申し述べ、男性とお二人の女性とお別れをしてからはたと気が付いた。男性のお名前を聞くのを忘れてしまった。今回の件は、多分に3名のチーム員のGood Willと裁量によるところがとても大きい。女性のお二人は漢字名を考案したこともあって忘れないが、男性のお名前を聞くのを忘れてしまった。これではGOL航空の経営陣にお礼が書けないではないか。

外国でこの様な目に遭った方なら、上に起こった出来事がいかに貴重なものか、おわかりになるはずだ。奇跡に近い。いや、奇跡だ。落として気が付かなかったお前が抜けてる?たしかに()。ま、そうだったとしても、ここはGOL航空ロストバゲージの職員のチャーミングな御三方の働きに感謝するとともに、この素晴らしいエピソードをポルトガル語にし、ブラジル人の友人にシェアしてGOL航空の経営陣の耳に届くようにしたい。

え?ブラジルでサイフを無くしたら・・・?大丈夫、きっと出て来ますよ!!!