毎日朝と晩それぞれ1時間ずつ、愛犬モカを連れて散歩している。その間、体重36kgの体格に見合った、結構な量のフンを処理することになる。
ブツの処理には、袋と紙が一体化した素晴らしく使い勝手の良い専用のプロダクトがあって、それはそれで便利なのだが、出来ることなら節約はしたい。
そこで、代用として使えそうな紙とビニール袋が溜まっている時には、せっせとそれらを準備して出かけることにしている。
今朝も紙ゴミやビニールのストックがだいぶ溜まっている状態だったので、さっと手に取ったB5サイズの紙と、ビニール袋を持ち出して朝の散歩に飛び出した。出発した後でわかったのだが、その小型の紙は通販の送り状で、妻の名前が記されたものであった。
大き過ぎないそのサイズと硬さは、踏ん張りを開始した犬の下にサッと差し込む(←スピードと勘が求められる。タイミングを誤ると、誤爆の悲劇に見舞われる)のに適しており、取り出しがし易い様に散歩バッグの外ポケットに差し込んだ。
結果として、今朝の散歩でフンは一回であり、その場合、ビニール袋だけで処理が可能✴︎で、結局紙は使わずじまいであった。だが家に辿り着いて気がついたのである。散歩バッグの外ポケットに挟んだはずの紙が、無くなっていたのだ。
✴︎一発目は硬く、二発目は柔らかい。一発目は着地しても拾い上げが容易である一方、二発目は一度着地してしまうと処理が困難になる為、落下予測地点に紙を素早くセットする必要があるのだ
紙自体には何の価値もないが、ハッキリと妻の名前が記載された紙、それが街のゴミになってしまうことが問題であった。いつどこで落としたのだろうか…。モカが急に走り出して引っ張られ、バランスを崩した何度かのシーンを思い出した。
その中から最もそれらしき場所(小さな公園の階段下)に狙いを定め、犬を家に戻した後、次に日課であるランニングに繰り出した。ランニング終盤にその公園を確認出来るように、コースを選択した。
果たして想定通り、その紙は階段付近に落ちていて、他のどこでもなく、一番目の候補地で発見することが出来た。1時間の散歩道中の数あるシーンの中から、数度の候補に絞り、その中で一発で的中させるというのは、なかなかにラッキーな話だ。これで気持ちのモヤモヤをキャリーすることなく、1日を始動することができることになった。我ながら、素晴らし過ぎる。
自ら招いた問題を自ら解消して晴々としているという、誠にめでたいマッチポンプな朝なのであった。


