2021年3月31日水曜日

ゼロ回答と再出発

融資を申し込みしていた日本政策金融公庫から、ゼロ回答が来た。総費用の1/3を自己資金で、残りの大半を公庫の創業支援融資でと考えていたので、大きな痛手である。


結論として、自己資金だけでスタートできる様、1/3の事業規模にスケールダウンして再出発することにした。


・20坪で考えていた物件は7坪の狭小居抜きにターゲットを変更。

・内装工事は選び抜いたデザイナーさんへの発注を諦めて、自分達の手でなんとかする。

・ポルキロは一旦諦めて、アラカルトへ。

・5名で回す想定から、ワンオペ+1へ。


当初描いていたプランからはだいぶ遠ざかるが、まずはスタートすることが大切。

考えてみれば、公庫の却下理由である、

  1. あなたは素人だ
  2. あなたの考えている事業で採算が取れるとは思えない

という2点は、ショックだったけれど、ごもっともな指摘だと思う。


例えるならスキー初心者が、初めから立派な新品の板を買って本場のスキー場に乗り込む様な計画だった。

それよりも、まずは居抜きで、中古の厨房設備で、狭小物件でスタートしよう。


幸いにして遠藤さんという仲間がいて、さっそく二人で新しい狭小店舗への議論を重ねている。

メニューの軸は、ブラジル発のパウリスタ・イタリアン。これは変えない。

ポルキロは出来ないけれど、ランチサラダはでっかく提供する。

夜はブラジリアンバールならではの看板メニューを取り揃え、ノンストップショッピ(生ビール)や遠藤スペシャルカクテルで盛り上がる。提供するもので差別化要素は維持して、とにかく自由な箱にする。これも変えない。


やりたいことは、ブラジルの風を届けること。


思えば2年前の2019年、37坪構想の時は物件を掠め取られ、コロナに突入。

スピード不足に対する反省から、20坪へとほぼ半分にスケールダウンして2021年計画再燃。

物件を仮抑えし、融資を申し込んだが、公庫からのゼロ回答。

いまこうしてさらに1/3に事業規模を縮小することになった。

初め描いていたスケールから比べると、かれこれ1/5とかそんなんだ。


転がるうちに、やっとふさわしい計画になって来た気がする。

川底を転がる石の角が取れて丸みを帯びていく様に。

そうして、はやく僕たちが考えている中身を世に問う箱を作りたいと考えている。

もしまた変化が必要なら、変わっていく。

変えながら、動くことをやめない。




2021年3月14日日曜日

出会い

■料理人・遠藤さん

昨年末、修行先バルバッコアで「ブラジル料理のお店を自分でやりたいという人が修行の為に入店した」との噂を耳にした。その方は厨房に入った方で、『年格好はタケイさんと同じくらいじゃないか』とのことだった。


それは遠藤さんと言う40歳の方で、バーテンダーから入って飲食のキャリアを積み重ね、ブラジル、ポルトガルレストランなどで料理長や店舗責任者を歴任、そろそろ自分のお店をと考えて、バルバッコアで最後の仕上げをと入店したのだとわかった。


遠藤さんとは幾度かシフトが同じになり、多少の立ち話はすれど、ポジションが違うので時間が足りず、日を改めて場所を作り、二人きりで2時間ほど話をした。


私がオーナーとして企画カネ周り経営面を担当し、遠藤さんが料理と店舗の現場責任者を担当する、という分担図を元に、私がこれまで温めていた構想を説明。

それ以来、二人の怒涛のLINEが始まることになった。


■バツイチ同士のお見合いみたいな

まるで違う人生を歩んで来た二人なのに、不思議と価値観に共通するものがあり、これまで大切にしてきたものが似通っていて、レストランプロジェクト以外の話題に文字数を割くことも多くあったりした。


お互いに20年近くいろんな経験を積んでいるが故に、この出会いの貴重さ得難さはすぐに理解していた様に思う。そしてそのやりとりは、互いへのリスペクトが強く出過ぎて多少時間がかかったり、この関係を大切にしようと言う思いから慎重になりすぎたきらいもあったりして。


よくあるIT系の『学生時代に友人とガレージ創業』とはだいぶ趣の違うコンビ結成だけど、例えて言うならば婚活サークルで出会ったバツイチの男女が、それまでの経験を照らし合わせるからこそ測ることのできる価値みたいなものを、お互いに感じながらデートや文通(笑)を重ね理解を深めた形とでも表現できるだろうか。


■試食会

そして先週、都内レンタルキッチンにて試食会という形で彼の料理を味わう機会を得た。

互いの友人を招待して、夜の繁忙時間帯を想定したメニュー構成で、全ては遠藤さんのアレンジで次々と繰り出される手仕事に、一同楽しく舌鼓を打った。


そこで感じたのは、美味しくて綺麗なだけじゃなく、繊細なのに冒険心と茶目っ気の感じられる、彼のセンス。

早くこのコンテンツで世に討って出たい、そう信じることが出来た。


■物件と出会う

そうこうしている内に、西五反田に素敵な物件が見つかることとなり、すぐさまそれに申し込みを入れ、公庫に融資の申し込みをし、内装業者さんにデザインの依頼をして、明日提案が上がってくるというのが現時点での状況。順当に進めば(当然色々困難はあるけれどなんだかんだ前に進めるとして)、一月半後にはこの物件で正式にGOすることになりそうである。


■会社websiteとお店公式インスタ

あわてて昨日、自分の会社Novidade Inc.のドメインを取り、ホームページを2時間で作った。

https://www.novidadeinc.com/


そして試食会の様子がわかる様に、お店の公式インスタを整えた。

https://www.instagram.com/alameda_santos/


全てが回り始めている。

これというのも、全て遠藤さんとの出会いのおかげなのだ。

探していたけれど、あてもなく探していた僕の目の前に突如現れたミッシングピース。


この出会いに感謝して、丁寧に関係をメンテしつつ、事業を軌道に乗せたい。

ポルキロで開始した後は、台湾の自助餐、北イタリアのバーカロといった世界の『自由メシ』を

実現して行きたい。44歳と40歳の紡ぐベンチャー奇譚のはじまりである。

(左)遠藤 (右)武井


Facebookのコメント欄に、企画概要と資金計画etcを収載しています。ご興味のある方はご一読ください。計画を支援していただける方はFacebookDMでご連絡をお願いします。)