2021年11月28日日曜日

能見投手コーチ

2021年の日本シリーズが今、終わった。結果はヤクルトが4勝2敗で日本一となった。

少年野球を今年始めた息子とソファに並んで座って観戦出来たのは、感慨深いものがあった。


何かを一緒に見ていてもいつも落ち着きなくフラフラと動き回ってしまうはずの息子が、今日は隣にじっと座ってプロ野球選手の一挙手一投足を固唾を飲んで食い入る様に見つめていた。彼の健全な成長を確認する様でとても頼もしく感じたし、画面を見ながらもたまに二人で言葉を交わし合うのも最高だった。


その最終戦でひときわ渋く輝いていたと私が感じたのが、能見投手だった。


能見投手はオリックスの現役選手でもあり、投手コーチも兼任している42歳。


それが延長11回、相手ヤクルトの4番村上を抑えるためのワンポイントで登板。

均衡した同点で迎える相手主砲をクールに仕留めた能見さんの姿に、私の心は大きく動かされたのだ。


相手の村上は今や日本を代表するスラッガーで、21歳。半分の年齢差もある強打者を、経験に裏打ちされた冷静さで打ち取る様は、時間としては短かったものの、熟練剣士の立ち居振る舞いを眺めている様で、そこはかとない美しさを感じたのだった。


とまぁそんな話は息子氏には通じるわけもないので、彼の語る外国人打者の特徴的な打法や、彼なりの分析に相槌を打つなどして楽しく観戦をした。いずれ私の年代になった息子とこうした侘び寂びの様な世界観をソファで隣り合って語ることができたらそれはそれは楽しいことだなぁと高津監督の胴上げを見ながらひとり感慨に浸った次第(息子は明日練習があるので12回で決着がつかなかったタイミングで寝るように言った)。