2015年1月1日木曜日

ブラジルで通販を利用してみたらどうなるか

ブラジルにおけるサービス競争の少なさについてはこれまで何度か書いてきたが、今回は相当ビックリさせられたという話。ある程度ブラジルに慣れてきたつもりだったけれど、いやはや今回ばかりは相当なハッスルを強いられたのである。

ウチの物件は家具付きなので、冷蔵庫はお仕着せであり、我々はこれにすこぶる不満足である。というのも、日本では最近見ないタイプの、冷凍庫が内扉になっているアレだからだ。冷蔵のスペースはやや小型くらいの感覚だが、冷凍庫(フリーザー部)については、とにかくスペースが小さくて話にならない。

というわけで、独立型冷凍庫を購入しようと思い立ち、色々と調べてみたところ、一番安かったのは国内最大手のスーパーEXTRAが経営するネット通販だと判明。配送料も無料とある。早速クレジットカード決済で購入した。何の問題もなく決済まで進み、カード審査の様なプロセスも翌日には完了していた。その審査が済んだお客様は、こちらをご覧くださいという配送予定日欄には、「あなたの購入した商品のデリバリー予定日は9営業日以内です」と出ている。おいおいネット通販で9営業日とは結構先だなと思いつつも、そこはまぁブラジルだから我慢するかと一旦は考えた。

しかし一方で、my orderみたいなページに出ているデリバリー予定日を見ると、12月11日とある。ブラジルでは日付表記が一般とは違って12月11日のことを11/12(dd/mm/yy)と表記するので、判断に一瞬迷うのだけれど、オーダーしたのが11月8日の話なので、『9営業日』情報と明らかに不一致である。逆に11月12日か?という嬉しい誤りはあまりにも早すぎる配送なので、ブラジルでそれはないでしょーとわかっている。

翌日顧客サービス窓口に電話してみた。15分待たされ(←これ普通)、結論、『配送予定日は11月20日になっています』とのこと。これまた9営業日とも違うし、12月11日とも違う。それには首をかしげつつも、まぁ目くじら立てるような話でもないので、わかったと電話を切ることにした。

11月19日になっても、my orderの情報は変わらない。12月11日のままである。嫌な予感がしたので、電話をしてみた。20分待たされ、曰く、『11月21日に予定組まれています。午後をご希望ですね、午後になっていますよ』とのこと。20日から21日に勝手に変更されているらしく、それについて何の説明もないが、これもしのごの言う類のものでもないので、わかりましたと電話を切る。

肝心の21日、デリバリーは来ずに終わった。
この時点で相当にガッカリしているし、毎度15分待たされるのもウンザリである。
12月11日を待ってみるとしよう。

・・・だが、またその日がすぎてからハッスルするのも嫌なので、前日の12月10日に電話してみた。15分後に出た担当氏、あなたのオーダーについて、確認すべき情報があるので、確認してから電話で折り返しをします、その回答は5営業日以内ですとのことであった。もはや開いた口がふさがらないが、待つことにした。

翌日、思いの外早く、emailが届いた。電話じゃねーのかというツッコミは無粋である。
衝撃のemailの内容は、『あなたのオーダーされた商品は在庫が無く、入荷の見込みもないので、デリバリーできません。あなたは二つのオプションを選択できます。①同額のショッピングをEXTRAサイト内で6か月以内にすることができます②もしくはキャンセルの二つです。キャンセルの場合は、かくかくしかじかの手続きに沿ってください』というもの。やるやるとは聞いていたが、まさかのどんでん返しまでは考えていなかったので、もはや立っていられません。

慌てて電話して、また15分待たされて、キャンセルのオーダーを入れる。冷静に話すのに一苦労である。曰く、『一度落ちた決済額を戻すのには30~60日の日数を要します。戻す際には、2度に分割して決済が行われますのでご注意ください』とのことであり、ツッコミどころ満載だがそれをいちいち交渉する気は起らない。

いまはただ、戻し決済が無事に行われるのを待つばかりである。もし60日経過しても戻らない場合、また電話して15~20分待たされるのだ。想像しただけでも萎えてくる。

かくしてブラジルの消費者はあきらめ上手になるのだ。

勿論、日本の消費者は恵まれすぎているという側面は、あるだろう。納豆のタレの小袋のここを開けろと言う場所に切り込みが無かったら、二度と同じ商品は買うまいと別の競合品に移るだろう。ヨックモックの個包装の開け方について、懇切丁寧な図解説明が同梱されてあるのは、あのビニールを開ける際に中身を一緒にビリッと破損してしまった消費者が声を上げた結果としての、企業側の改善提案なのだろうと想像できる。全ては競争の成せる業である。過当競争のきらいもあるかもしれない。

ブラジルではそうした声を上げようとも全く反映されないどころか、待たされたりするので声を上げる人が少なくなる仕組みが出来上がっている。そして他に移るべきサービスが少ないので、ますますサービス提供者側はそうした声を無視できる。これは極論を含んでいるが、単純化するとそう言える。そうするとどうなるか。努めてストレスを溜めないように、発生したことがらにたいして鷹揚に構える免疫が付くのである。

とはいっても私は日本人だ。
泣き寝入りは悔しいので、いつか仕事でサービスの提供者側になり、ブラジル国民が諦めている空席を埋め、成功を治めたいと密かに願うのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿