「ぱぱがんばって」
Skypeで話していた娘がくれた、明朝に控えた9kmマラソンレースへの激励の言葉。恐らく、横で耳打ちする妻のセリフをそのまま言っただけっぽい雰囲気はあったのだが、なにしろ娘から初めてもらった励ましの言葉だ、嬉しかった。
このレースはここサンパウロではほぼ毎月の頻度で良くある草レースの、しかも9kmという短い距離のものだ。何の気なしに普通に消化しようと思っていた。冒頭の言葉は、そんな自分に火を点けた。
サラリーマンはスポーツ選手にあこがれる。誰もが過去にそういう時期があったように、スポーツで周囲を驚かせ、感動させるということを現在進行形で示している彼らにあこがれる。だからこそ、土日夜のスポーツニュースを何度も見るのだ。自分自身を投影させて、時には涙ぐみながら。自分はもう、そうはなれないと思っている。
しかし娘の激励で気が付いた。対象が自分の家族限定ではあるが、自分だっていつでもヒーローになれるのではないか。自らが努力して向上している様を子供達に見せることが出来れば、何物にも代え難い教育になるのではないか。そう思い、モードを変えて走ってみようと決意した。毎朝走っている「調整」モードではなく、本気でベストタイムを目指して走ってみよう。
そうして出した自己ベスト9km 40分44秒。キロ平均4分25秒。最近の自分のペースを考えると、胸を張れるレベルだ。大げさだけど、娘のことを想って、娘に捧げた走り。まだ4歳だから伝わらないけれど、この文章がいつか大きくなった彼女に届くといい。
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