2013年7月21日日曜日

初・ブラジルの床屋(Cabeleireiros=カベレイレイロス)

よく考えてみたら、海外で床屋に行くのは初めてだった。
ブラジルに住み始めて一月半、そろそろ髪の伸びが気になり始めた今週、ランチ時に同僚とフラフラしつつ食堂を探しているうちにふと雰囲気の良かったその場所を見つけて以降、土曜日になったらあそこに行こうと密かに楽しみにしていたのだった。しかし、しきたりがわからない。

いままで出張はあったけど、海外に住んだことは無いので床屋に行くような必要性は無かった。今回行く前にやたらと緊張したのもそんな訳だったからだ。そこは住んでいる場所にほど近く、店の構えは小さくなにやら雑然としており、男性用の理容室チックな比較的安めなお店だろうということはかろうじてわかる風情。

José Maria Risboaという通の名前から取って店名はJosé。実は意を決してなんだけど、さらっとした体で入ってみる(笑)。中では初老の男性と30代と思しき雰囲気のある二人の男がはさみをふるっている。待ちだ。「入っていいか?」「ちょっと待っててくれる?」みたいなやりとり。

しかしどこで待つんだろう。理容椅子は3つで客が二人だが、なぜか一番奥の椅子にはどっかとオバチャンが腰を下ろしてお菓子を食べている。このオバチャンはお店サイドの人なんでしょう。なぜお菓子?という気持ちにはふたをして、なんとも手持ち無沙汰な時間を過ごす。しかたなく二つの理髪椅子の背後にすっとおいてある病院ロビー風のベンチ椅子にすわり、正面見てると髪を切られている真っ最中の男たちと鏡越しに目が合っちゃうので、右90度の位置にあるTVで柔道の中継を眺める。

ほどなくすると若い方の従業員の客が終わり、自分を椅子に招いた。前の客が40レアルとなんぼを払っているのを確認し、やはり法外な料金ではないなと密かに安堵する。座った瞬間に「どうしたい?」と聞かれたので、「短くしたい」と答える。事前に聞いていたバリカンを意味するmaquina(なんと、『機械』という意味)という単語を使い、横と後ろはmaquinaだと。すると、3か2か?と聞かれ、わからんと答える。「ま、はじめようか」みたいな感じでmaquinaが使われ始める。まずは3からいくぞと。もっと行きたかったら2でもう一回いくから、みたいなこと言っている。

Joelという名前のその従業員は若そうだが貫禄ある髭面のイケメンで、作業もすばやく、トークもさりげない。シャンプーもないので全行程15分で修了したのだが、その間にサンパウロに住んでどれくらいか、どこに住んでいるか、会社はどこか、なんの会社か、何年いるつもりか、なぜこの店にしたのか、等々のトークに静かに花が咲いた。最後に『これからキミは僕のお客になるね!とチャーミングな笑顔で』言われ、思わず惚れてまいそうになる。$45レアル(=2,300円くらい)で、仕上がり好きな感じ。良い出会いがありました。
José Cabeleireilos
R. José Maria Lisboa, 670 São Paulo
一番右手奥白シャツがJoel


2 件のコメント:

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    1. たしかに!全体的に混沌としつつもトーンはおされなお店でした。

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