つねづね疑問に思っていたことがある。
なぜサンパウロで車を運転する人はあんなに飛ばすのか。
と考えていたら、自分も飛ばしていることに気が付いた。
はたして我々をしてスピードを上げさしめる仕組みが、この街にはあったのだった。
ネタを明かすとそんなことかと言われそうだが、実は気が付いている人は少ないのではなかろうか。答えは点滅や黄色といった経過措置の無い青から赤への信号切り替えである。
日本では通常、ドライバーは信号をある程度予測できる。なぜなら赤になる前に歩行者信号が点滅し、それが赤となり、次に車道の信号が黄色になり赤になる。サンパウロにはそれが無い。突然赤になり、ガチョーンと止まらざるを得ない。しかもCET(交通違反取締専門の公社)がはみ出しを厳しく取るので、横断歩道に乗り入れて停車などしたら罰則切符を切られるのだ。
となると人間はどうなるか。
ガチョーンと打ち切りに遭う前に、青であれば出来るだけ急いで通過しようとアクセルを踏むのだ。だからバンバン飛ばすのだ。
歩行者専用の信号など存在する交差点の方が少数派であり、その歩行者用も樹木が生い茂って見えないとか、そんな出来事が盛りだくさんであるから、全く期待できないのである。
ここで本題終了。
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ついでに脱線して文句があるとすれば、一方通行車道の二つが交差する歩行者信号なしの横断歩道では、交差点内に4つある横断歩道のうち、半分の2つには渡るタイミングが一度もないという事実。これどうよと。
ブラジルでも歩行者優先は原則なのだが、サンパウロ市内では車は歩行者を無視する。
ここに南北に延びる車道と、それを横切る東西の車道があったとする。
それぞれ進行方向は南→北と、東→西である。
南→北の車道が青になったとき、それに沿って歩く歩行者が、西側の横断歩道を渡るタイミングが無いのだ。
左折する車がひっきりなしに曲がっていくので、左折車が途切れない場合、歩行者に渡るチャンスは訪れない。唯一、南→北の青信号が赤になった瞬間を狙うしかない。それとてすぐに東→西の直進車がドバーっと入って来るので時間的にはほんのわずかだ。
同様に、東→西が青の時、北側の横断歩道はバンバン侵入してくる右折車の波に洗われており、また渡るのが難しい。
これはつまり、高齢者には道を渡るなということだ。
ほんの少しのことで改善が出来ることだと思う。
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もうひとつ、これは都市設計の専門家がいたら教えてもらいたいのだけど、一方通行で都市を作るのと、両側通行で都市を作るのとどちらかが優れているのか、はたまた実はevenなのか、教えてほしい。道の幅は同じであるからして、供給される道路の総面積は変わらない。でも1台あたりの走行距離はアクセス不可の場所が増えるから増加するという問題。
サンパウロは一方通行制であり、日本は両側通行だ。ジャカルタなんかも一方通行制だけれど、サンパウロ同様渋滞は多く成功しているとは思えない。となると、一方通行制を敷くメリットはなんなのか、という疑問がわく。誰か知っている人が居れば良いのだが。。。
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