2週間にわたるアテンド行脚が終わった。
我々にはこのように、日本からのお客様を受け入れ、週単位で旅を共にするということが多くある。
我々にはこのように、日本からのお客様を受け入れ、週単位で旅を共にするということが多くある。
こうしたシーンで、駐在員には旅の計画立案・予約手配、運転手、現地通訳をこなしつつ、契約にもつなげるというマルチファンクションが求められる。私にはその通訳をする際に、つねづね気を付けていることが一つある。
それは「自分のフィルターをかけない」ということである。
それは「自分のフィルターをかけない」ということである。
お客様は、ブラジル人事業主に対して、積極的にメッセージを発信しようとしているのであって、媒介に立つ私のフィルターを介して変換されたメッセージを期待してはいない。なので出来る限り忠実に、一語一語を訳し伝えるようにしている。「正しいこと」や「話を要約した骨子」を伝えるのではなくて、お客様の発したメッセージをそのまま伝えることに全力を注いでいる。例えそれが間違った内容を含んでいたとしてもだ。結果的にコミュニケーションで遠回りをしたとしても、そのことが顧客満足に繋がると考えている。
反対にブラジル人の発言を日本語に通訳する際も、一語一語出来る限り忠実に通訳する。時折自社に都合の悪いことを突然話し出す人もいるが、その時もフィルターはかけない。ハプニングとしてそのまま『ポロリ』扱いとする。そうすることで顧客の持つ弊社への安心感を優先する。もし自分が反対の立場だったとしたら、透明性の高い通訳者を好むからだ。
ときにはあまりに日本的で伝わりにくい表現が出るときもある。『いやー、これはどうあがいても伝わらないだろう』と感じたフレーズであっても、出来る限りの補足説明を尽くして伝えるべく努力する。その結果としてブラジル人の腑に落ちなくても、トライした事実は顧客に伝わるはずだ。効率を追求することはせず、寧ろその逆を行くのだ。コミュニケーションとは、元来そういうものだろう。
利益誘導戦法は、どうせバレる。
言葉を理解しない人同士であっても、大のオトナの間に入ったコミュニケーションの取り持ちである。話し手の顔色やニュアンスでだいたいの内容は感じるものだ。なので、はじめからそれはしない。むしろボタンのかけ違いがその場で露呈して、問題解決を促したというケースも過去多くあった。きな臭い情報に蓋をするような所作は、問題先送りに他ならない。
大事なのはイタコイズムだ。
話し手の哲学・情熱・大切にしていることなどを自らに乗り移らせ、そうしてその勢いを借りて伝える。話すのではなく、伝えるのだ。こうした精神を、これからも大切にしていきたい。
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